はりこのトラの穴　ちょっとひとこと感想文

なつみさんも書いてますが、若さが暴走してますね。
よくも悪くも学生演劇っぽい。少し懐かしさの漂うテンションです。
だけど、役者がやってるとこは面白そうなんでいいなあと思います。

しかし、長台詞多いですね・・・結構やる側としてはつらそうです。占い師のとこは見事だと思いましたが。

高校生のゆきが半ば一人暮らしという設定がやや不自然というつっこみは無粋でしょうか？大学生の兄が実家にいて様子を見に来る事や、お金はどこから発生しているかなど、やや辛い設定です。
別にそれはいいんです。
ただ、それを変わった背景と登場人物が認識していない様子があります。家族関係が見えてこないのは意図的かもしれませんが、単に詳しく考えてなさそうな気配がしてなりません。そこがもう少し見えたら、作品の説得力も増したと思われます。
解釈が難しそうです。

最初のノリになれると意外とひきこまれますね。
だが終盤の展開はちょっとなあ・・・
いや、いい葛藤だとは思うのですが、ゆきの問題にけりがついてないのがなんとももやもやします。長く引っ張ったわりに昴とゆきの葛藤で終わらせるというのも惜しいです。ただこれは個人の好みの問題でもありますので、別に問題はないと思います。

長いので読むのに一苦労ですが、削れる部分は多いので、アレンジ次第で上演はしやすいと思います。
あと形式的な問題として、長い台詞は改行してほしいです。一部出来てませんでした。

これは第一稿らしいですけど、それ以降の修正版はどうなったのでしょうか？
直していけば暴走気味なとこも制御できると思うし、面白くなると思うのですが。

ハイテンションな笑いと、若者の身近でせつない悩み、そして異形のものの葛藤。
舞台ならではの遊びもふんだん（但し長台詞は多い）な、日常にちょい足しファンタジー物。
元気いっぱいな舞台がいい！シリアスもいいけど笑いも！
こんな方々におススメ。

・・・こんな形容でよろしいですかね？人におススメするとしたら。

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